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『世界の歴史教科書』

-客観vs主観 正解はない?-


悪魔「今回のレビュー対象は『世界の歴史教科書』という本です。日本を含めたい11カ国の教科書を読み比べています。
 日本のご近所問題が騒がれる昨今、ネタになる本と言えるでしょう」

天使「人間の歴史は争いの歴史……。その歴史を学習するための歴史教科書が争いを生むのだから、全く人類は救いがたい」

悪魔「相変わらず天さんは、突き放しますねぇ。ぼくは人間を甘やかしてダメにするのが仕事ですんで、何度も過ちを繰り返す様子を、あたたかい目で見守ろうと思ってます」

天使「この本の著者は、他国の教科書をチェックする際、第二次大戦での加害、被害経験をどう書いているかに注目している。
 本の内容によると、ヨーロッパの教科書は比較的客観的、事務的な記述方法のようだ。もちろん比較対象はアジア諸国の教科書だ」

悪魔「ぼくは我国万歳系の教科書もアリだと思いますよ。自国の人間をどんな風に教育しようが、その国の勝手だと思いますから。あとあと国際的にアホ扱いされるのは、かたよった教育を行ったその国自身なわけですし」

天使「今回の悪魔くんはいつもと雰囲気が違うな。プルトニウムでも食べたのか?」

悪魔「いやだなぁ天さん、ぼくだって意見の一つや二つ持ってますよ」

天使「大戦前後の歴史を軽く学べるという点でも、なかなか有意義な本だと思う」

悪魔「某国の歪んだ歴史認識も賞味できるから、まさに一石二鳥三すくみですね!」

天使「最後の最後でわけのわからん事を言うな!」

悪魔「ぐはっ!」


 天使のボディブローがさくれつ、肋骨を折られた悪魔、脂汗を垂らしながら退場。天使は日課のアフリカストーンお手玉を始める。空には鳩がとんでいる。



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2005.11.08 | | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

『家元を笑わせろ』

-あふれ、流れていく言葉たち-



 家元を笑わせろ…………とタイトルにはありますが、立川談志師匠を笑わせるために集められた精鋭たちが、二年間の特殊訓練を経て、談志の脳に挑む涙あり血尿ありの感動ドラマじゃあございません。

 家元を笑わせるため、古代中国よろしく軍隊招集用の狼煙をあげるなんてこともいたしません。

 それじゃこの本がどんな内容なのかと申しますと、古今東西のジョークに対する立川談志家元のコメント集なのであります。コメントの他に、座布団枚数方式の採点もありますので、自分と家元のセンスを比べる事もできます。


 どこかで聞いたことのある有名ジョークはもちろん、政治系の時事ネタも含まれています。解説なんて野暮なものはないので、当時の事情にうとい人は放置されっぱなしです。そういう不親切なところも含めて「家元らしい」んですけども。


 本自体はかなり分厚いですが、中身は論文でも自分が小学生時代に書いた恥ずかしい作文でもないので、無理なく読めると思います。

 あまりにもとりとめがないので、本としての読み応えは無いかも知れませんね。ジョーク好き、談志好きなら。

2005.09.18 | | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

『仮面の告白』

-悲しき分析能力-


 くせ者ぞろいの文学者たちの中でも、ずばぬけてキャラが濃いの三島由紀夫の半自伝的小説です。

 自意識過剰主人公による内省的一人称というスタイルは、小説の形式としてありふれています。
 しかし、凡百のそれと、この作品が一線を画するのは、主人公の特異性と、過剰とも言える認識・分析能力の高さにあると思います。

 自意識過剰な人物がある程度の頭脳を得てしまうと、無意識に自分と他者、そして自分と世間との距離をはかってしまいます。作品内でも、もう一人の自分が絶えず自分の行動を監視し、何かあるたびにツッコミをいれてくる様子が執拗に描かれています。

 主人公は自分のひよわな体に劣等感を抱えており、また女性に対して発情できません。彼は彫刻的なたくましさ、美しさをもつ少年や青年に魅力を感じ、それに倒錯的な妄想を加えることでアンダーバーが元気ハツラツゥのピークを迎えます。

 いまのご時世でしたら「別に迷惑かけるわけじゃないんだからいいんじゃない?」の一言で趣味の問題は片づきそうなもんですが、本人の性格や頭脳、そして当時の価値観が主人公を追いつめていきます。

 鋭い分析能力がなければ、健全な青年の演技を続ける事は不可能だったのでしょうが、彼を最も苦しめていたのも、自分と世間との差を認識・分析する能力だったと言えます。
 もっともっと頭を悪くして、アホ属性を身につけていれば、主人公のモデルとなった人は自決なんかせずに、もっともっと面白い作品を我々に残してくれていたと思います。アホ属性のため幾つかの名作はこの世から消えているでしょうが、それはご愛敬ということで。






仮面の告白改版

仮面の告白改版



著者:三島由紀夫

出版社:新潮社

本体価格:438円



2005.09.04 | | Comments(1) | Trackback(0) | 未分類

ホームズVSドラキュラ

-彼である必要性ゼロ-


 贋作シリーズが一つのジャンルとして確立されているホームズ贋作ものです。

 敵役ドラキュラかよ…………と思いながらもタイトルにひかれページをめくってみると、文体や話の進め方など、話のところどころにホームズらしさが潜んでいるのですが、推理小説のおもしろである「誰が犯人なの?」「事件をどうやって解決するの?」という要素がうすく、半ば義務感で読破しました。

 そして読破した瞬間、主人公がホームズである必要があるのだろうか…………と至極真っ当不当なツッコミをいれちまいました。

 ホームズが出ているだけで幸せというシャーロキアンにとっては価値ある一冊だと思います。

 二時創作……もとい贋作ものでパロディやるんだったら、もっとぶっとんだ小説が読んでみたいです。



 例えば、

「ホームズVSジョーズ」
「ホームズ寿司職人に」
「ホームズの仮装大賞」
「ホームズの三分間クッキング -サバイバル編-」
「ホームズVS一休VSゾンビ」
「ホームズの出る単!」
「ホームズとうさん、ワトスンとうさん」
「ホームズ新球団設立! 激動のプロ野球界に推理のメスが!」


 世の中広いですから、上述のような本が一冊や二冊出ているでしょうね。







シャーロック・ホームズ対ドラキュラあるいは血まみれ伯爵の冒険

シャーロック・ホームズ対ドラキュラあるいは血まみれ伯爵の冒険



著者:ジョン・H.ウォトソン / ローレン・D.エスルマン

出版社:河出書房新社

本体価格:573円



2005.09.03 | | Comments(0) | Trackback(1) | 未分類

『バルザックがおもしろい』 山田登世子  鹿島茂   藤原書店

-バトルはたのし-



 仏文学研究者の山田氏、鹿島氏の対談と往復書簡からなる文学ネタの本です。

 ターゲットはバルザックで、その作品中にある普遍性、時代性について触れられています。


 バルザックマニアのための本ではなく、読みかじった程度の入門者(というか自分)にぴったりの本です。作家個人の経歴よりも、作中人物についている方が多いので、未読作品への期待がいやおうなしに膨らんでいきます。
『ゴリオ爺さん(ペール・ゴリオ)』『従妹ベッド』ぐらいしか読んだことのないわたしは、他作品への興味が倍加しました。

 人物再登場の手法がとられているので、三冊、四冊と作品を読み進めていくうちに、描かれている世界が有機的に結びつきはじめ、更なる栄養……バルザックの作品……を求め出します。

 バルザックの著書に対する興味をそそられるのはもちろん、山田・鹿島両氏の鋭い分析も読者をうならせてくれます。


 しかし、一番読者がひきつけられる部分は、作品分析ではなかう、往復書簡でのバトルでしょう。
 鹿島氏の「わかるようなわからないようなまどろっこしい文言」に対し、山田氏が怒るというパターンが何度か登場し、読者は観戦者気分にひたれます。

 前半の対談が分析、後半の往復書簡がバトルと、はっきり性格が分かれている、けっこう不思議な本かも知れませんね。






バルザックがおもしろい

バルザックがおもしろい



著者:鹿島茂 / 山田登世子

出版社:藤原書店

本体価格:1,500円



2005.08.15 | | Comments(0) | Trackback(1) | 未分類

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